月のない路

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■月のない路　ラキスNOVEL■

　…リュシクのいってることはよく分からない。

　外の景色は好きだよ？
　昼は青いのに夕方になると紅くなったり、夜になると真っ黒になったりする空とか。
　透明なのに、何故か青く感じる水とか。　

　無造作に動き回る人間も、それはそれでおもしろい。

　でも…、リュシクはそうじゃないって言うんだよね。
　ボクより６年も長く生きてるリュシク。
　力の差はないと思ってる。
　ボクらはずっと対等だったから。
　でも…、やっぱりボクとリュシクはどこかが違うんだよね。

　人間は水や炭素、アンモニアや石灰など簡単な物で出来ている。
　その成分はボクもリュシクも他の人間たちも変わらない。
　なのに、一体何が違うというんだろう？

　最近…、よく外に出るようになってから謎ばかりが増えていく。

　誰にも聞けない謎。
　誰にも聞いてはいけないだろう謎。

　ボクはいつか答えに辿り着けるんだろうか？

　リュシク、ボクは分からないよ…。